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「力んだり、緊張していると、本来の実力を出せない」
本書で繰り返し出てくる文言だが。
今、ちょうど、冬季オリンピックをやっていて。
見ていると、
ホントに、その通りだなあ、と思う。
スタート前の「硬さ」と、結果が、かなりの割合で、正確に反比例するように見える。
自分もそうかもしれない。
バイクに限らずとも、気付くと、肩に力が入っているようなことはよくある。
嫌な事を、我慢してやっている時とか。
不意の事態に、緊張を強いられている時とか。
バイクも、確かにそうなのだ。
本書にもあるのだが、例えば、雨だ。
これは私にも身に覚えがある。
雨が降ってくると、肩、腕、首の辺りに力が入るのが、後ろから見ていても分かると。
では雨の中、いつも通りに緊張せずに乗れますか、となると、そこはメンタルトレーニングの出番かな、とは思う。無論、日ごろの練習(慣れ)との合わせ技は、必要なわけだが。
雨に限らず、何だか今日はうまく乗れないなあ、と感じてよくよく考えてみると、いつもとはちょっと違う所に座っていたり、妙に力んで乗っていて。いかんいかんと座り直して、信号待ちの間にブラブラ〜と脱力すると、すぐに感覚が戻った。そんな経験は結構ある。
もう一つ、個人的に思い当たるのは、冬だ。
冬でも日を選べばバイクに乗れる地方では、機体と人間の維持がてら、たまに出したりもするのだが。
これが、あまりうまく乗れない。
まあ、維持稼動なのでそう遠くまで行くわけでもないし、いつものご近所をうろつくだけなのだが。身体の筋肉を固めてしまうのに、十分な程度は寒いのが、やはり効いているように感じていた。
若い頃は違ったような気がしたのだ。それこそ20代の頃は、身体の表面の感覚が完全に失せるほど冷え切っても、身体はちゃんと反応していた。
つまり、要は私の身体能力の衰えな訳で、これは如何ともしがたい。寄る年波に、メンタルトレーニングで勝てれば苦労しないので(笑)、何か、別の解決法が要るのだろうと思っている。そしてそれは、きっと、ジジイになってもバイクに乗るための「秘訣」になっていくんじゃないかと、思っているのだが。
話を戻そう。
万が一の事態の、練習。
「頭の中で情景を設定して」というだけだと、身体の準備(動作プロの装備)ができていなかったりするので、できれば、身体の動きに結びつけたほうがよい。ある程度、やり方が決まっている(想定できる)のなら、センスタ(あれば)を立ててバイクに跨った状態で、目を閉じたまま実際に操作をしてみる、というのもアリだと。低スピードで実際に練習したことを、スピードを上げながら演習してみるのもいいとある。
そんな例を、著者は幾つか挙げている。
「実際に練習するわけには行かないもの」の最右翼は、やはり、事故だ。
転んだ後はこうしましょう、のような練習を、頭の中で癖にしておくと有効だと。
クルマのどてっぱらに突っ込むなら、その刹那にステップから飛び立ち、クルマの屋根を越えて、身体を丸めて着地に備えろ。(クルマにブチ当たってダメージを大きくしない工夫。そうでなくても、無防備にとっ込めば、人間だけ前に吹っ飛んで、ハンドルバーに足を引っ掛けて大腿骨骨折だが。)
でも、今の日本で見回してみると、最近は、屋根の上を越えられそうな、背の低いクルマは少数派なので。「そのまま応用」は難しそうだ。
転んだらバイクを放せ。
これはよく言われるかな。いつまでもしがみつくなと。
身体が路面を滑っている間は立つな。
立つなったって、そんなの当たり前だろ、と思われそうだが。
実際に滑っている最中に立ってしまって、よからぬ結果に陥る人が多い故の教訓なのだとか。
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