読書ログ 「加藤周一 最終講義」
2015-01-24




先週 に続き、「メモ帳にあった、良く知らない著者名を、図書館でエイと借りてみました」。著者のあらましを大まかに把握するには、良さそうな題名だと思ったのだ。

内容は、著者がなくなる前に、あちこちの大学なんかで講演された内容を、文字に起こしたものだ。口述筆記なので、内容は薄い。著者の主張をしっかり読み取るには、ちゃんと著作の方を当たる必要があろう。

講義(講演)のはずなんだが、与えられたトピックを中心に話を作る、一般の講演とは趣が違った。全体に、自分のあらましを駆け足で語ったような内容が多い。トピックは与えられたが無視したのか、それ以外だけを抽出した本なのかは、わからない。

本人も仰られている通り、著者ならではの、独特な「横から目線」での読み解きが面白く、参考にもなる。博識であり、自力で足で歩を進める類の考え方。

実際に地域を渡り歩いていた。
巷で、文化と呼ばれるものの、渦中に身を置いた。

思考は広がり、時間をまたぐ。
巷で歴史と呼ばれるものを、指先の感覚で確かめ直した。

合っているかは別、それは先週と同じ。

(日本人は集団主義的、それは農耕文化による、とある。本当かな。よく聞く言説だが、この人がオリジナルかも知れない。)

(マルクスは、経済的には今でも参考になる、とも。そうかも知れない。でも、今さらマルクスをひっくり返して確かめる気にはならないが。)

縁があれば、また会うこともあろうかと。
そんな読後感だった。


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加藤周一最終講義―佛教大学 白沙会 清華大学 立命館大学禺画像]

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