ケニー ロバーツがレーシングテクニックの詳細を論じた本
#####
もともと、1988年に本だけ刊行されたものだが、2009年にDVDを加えて再販された。
教材は、その当時のYZR500と、USAのラグナセカサーキット。
ケビン マギーと、(ケガをする前の)レイニーがサポートしている。
ロードレースでサーキットを走るテクニックについて、実際にケニーがラグナセカをYZRで攻めながら、詳しく解説してくれる。大変に実践的で優れたアドバイスに満ちあふれているのだが、今、それをそのまま応用するには難がありそうだ。
まず、レーシングテクニックとして見た場合。
機材が違いすぎる。
何せ、一応は乗り易くなった世代とは言え、あの2st 500ccレーサーを前提にしている部分がある。
それに、かなりのリア乗りである。コーナー入り口でカックンと向きを変える様などは、今のレースシーンではむしろ125ccあたりに近いようにも見える。
だから、例えば今時のMoto2のようなレーサー(またはそれに似た公道機)に直に活かせるか・・・となると、難しいかもしれない。
次に、公道を含めた乗り方論として見た場合。
前回取り上げた
「ロードレーシングテクニック」 に比べて、レースに限定された事項が多い。
例えば、「フロントをプッシュせよ」とあったとしても、公道で「プッシュし損なった場合」の結果の重大さを考えれば、なるべく「プッシュせずに」乗る方法を考える方が得策となる。そういう読み替えが要る。
じゃあ何の役に立つかと言えば、やはりライディングとはどうあるべきか、その根本に近い所のイメージだと思う。
ここに書いてあることは、還元してしまえば、「バイクの限界とは何か」だ。それを広げる/操る/避けるためには、どうすればよいか。その根源的な所は同じだ。
そう言った意味で、やはり勉強になることは多い。
応用力は要るだろうけど。
付属のDVDは面白かった。
久し振りに、ケニーのライディングを動画で見ることができて、何だかリフレッシュした気分になれた。
当時としては珍しい、車載カメラの映像はよく撮れている。大柄なアナログ機材しかない当時のこと、撮影は大変だったろう。やぐらのような物を車体にくくりつけて撮ったらしい。アングルにもこだわっていて、臨場感があり、ケニーのライディングの意図をよく伝えている。まさに、百聞は一見にしかずだ。
ケニーにタンデムで、ラグナセカのコークスクリューにドッカーン!と落っこちて行くなんて、なかなかの見ものだ。(笑)
Amazonはこちら
ケニー・ロバーツ RIDE TO WIN禺画像]
セコメントをする