読書ログ 井田真木子 著作撰集 第2集
2015-07-25




図書館の新刊コーナーで、青い表紙が目に止まった。
パラパラめくると・・・小説か、ルポか。
巻末には、著者があちこちに書いた小文と、著者をインタビューした記事。

興味本位で借りた。

何でも、ルポで少々売れた後、急に亡くなった女流作家さんだそうだ。
作品には、女性関連のものが多いようだ。性風俗っぽいのとかも。
キッチリ取材して、ちゃんとまとめる。
文章は、一種軽妙だが、刃はちゃんと砥いであって、要所要所で切れ味が確認できる。
ただ、切る場所は選んであって、取材相手への間合いをちゃんと取っている。

巻末のインタビューを見ると、かなり変わった人だ。
作家さんと言っても、ページいくらの商売だから、食うのと同じ量は書かないといけない。
だが、書きゃいいってもんじゃない。作家商売の妙(の一つ)である。

取材はキッチリ、納得するまでやる。でも、取材相手には呑まれない、間合いは保つ、とそんなようなことが書いてある。

取材の相手の側に立ち、同じ視線で書いたのでは、ルポにならない。
作家さんの視線で掘り下げるから、ルポは、ルポになる。

ただ、その立ち位置を選んで、掘り下げを深めるには、持ち時間が少々、足りなかったようだ。

この作品群が、その彼女の人生を、逆にルポっぽく照らし出しているようにも感じられて。

ずっと描き続きられていられたら、どんな作家さんになっただろうかと。

命は不平等だ。
残念である。


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